素人の政治考察日記

知識もない若造が頑張るブログです。

ネトウヨ 分析

 

最近、排外主義、差別主義的思考を持ったネット右翼(通称ネトウヨ)が勢力を拡大してきているように見受けられる。もちろん、右翼である事自体に問題があるわけではない。右翼左翼関係なしに、知識層の人々は物事を客観的に見据え、あくまでもリアリズムにのっとり建設的な議論を進めていこうとするのである。ここが、大半のネトウヨときちんとした右翼との大きな相違点である。

 

 

まず初めに、大半のネット右翼は物事を客観的に見るために必要な「複眼的思考」を持っていない場合が多いように私は感じる。この世界には、自分と違うアイデアイデオロギーを持つ人が星の数ほど存在する。つまり、自分の価値観だけを前面に押し出して議論を繰り広げるだけでは、異なる意見を持つ人々を説得などできるわけがないのである。彼らにはこの考えが不足しているのだ。

 

 

ネトウヨの多くは何かあるたびに、中国人や韓国人に対してのレイシズム的発言をよくしているように見受けられるが、そのような手口では誰も説得できないどころか、むしろ人々は離れていってしまうだろう。もちろん私はレイシズムを肯定しているわけではないし、彼らのような人種や国家を一つの塊としかとらえられない想像力に乏しく他人の気持ちを理解できない輩を擁護する気など毛頭ない。しかし、それ以前に、彼らが持ちかけてくる議論にはきちんとした論拠が存在していないことが多いのだ。

 

 

なんども繰り返しになって申し訳ないが、私はレイシズムは絶対に許してはいけないものであり、人種差別的思想を持った輩にはきちんとした教育が必要だと思っている。しかし、ネトウヨの単眼的思考とは、その様な「ネトウヨレイシズム」以前の問題なのだ。

 

 

もし彼らがきちんとした論拠をもとに、中国人や韓国人に対する批判をしようというのであれば、人々も彼らに耳を貸すだろう。しかし、現実問題として、大半のネトウヨはその様なきちんとした論拠など持ち合わせてはいない。

 

 

彼らが単なる非論理的なネトウヨからきちんとした論理的な右翼に昇華する時に、日本の民主主義はより良いものとなると私は考えている。そして、彼らが論理性を学ぶ過程で、レイシズムといったものはなくなっていくのではないだろうか。増加する単眼的思考を持ったネトウヨをどう対処していくのかが今後の日本社会の大きな課題になってくると思われる。

 

 

p.s. 今回の話はネトウヨに限らず、すべての非論理的論者に言えることである。ただ、ネット上の最近の状況から、ここではネトウヨにターゲットを絞ることとした。

 

 

 

 

村上春樹 「沈黙」 考察

 

村上春樹レキシントンの幽霊」に収録されている「沈黙」を読んだので軽く考察していきたい。

 

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

 

 

「沈黙」は大沢を語り手として展開する物語であり、あくまでも大沢の視点を中心に彼の学生時代の同級生であった青木との衝突が描かれている。「僕」は小説の冒頭で大沢は物静かで出しゃばらない性格であり、周りから好かれるような人間であると述べている。それに加え、大沢自身の昔話を聞いてもそこから想像彼の人物像は「性根の腐っている同級生からの悪質ないじめに必死で耐えた忍耐強い青年」であり、小説全体を通して最初から最後まで大沢はひたすらに「良い人物」として描かれている。

 

 しかし、果たしてここで描かれている「良い人物」である大沢は本当に存在しているのだろうか。確かに、「僕」の大沢に対する評価や彼が自身で語った彼の強烈な青春時代、小説内で描かれている彼の話し方などだけに注目すると、大沢はとても誠実でおおらか人物であるということに事に多くの人は疑問を抱かないだろう。しかし、この大沢に対する人物評価はあくまでも「こちら側」からの視点の上でしか成り立たないのである。より公平な判断をするためには「むこう側」である青木サイドの視点からも大沢の昔話を考察する必要が出てくる。このことを考慮に入れ、もう一度注意深くこの小説を注意深く読んでみると、大沢が語った彼の青春時代のエピソードには数多くの疑問点、然り矛盾点が生じていることに気が付だろう。

 

 84ページの頭で大沢は「でも僕が本当に怖いと思うのは、青木のような人間の言いぶんを無批判に受け入れて、そのまま信じてしまう連中です。自分では何も生み出さず、何も理解していないくせに、口当たりの良い、受け入れやすい他人の意見に踊らされて集団で行動する連中です。彼らは自分が何か間違ったことをしているんじゃないかなんて、これっぽちも、ちらっとでも考えたりはしないんです。」とこのように述べている。彼のこの言い分をここでの価値観の基準としてもう一度大沢が語った昔話を熟読すると彼が行っていることと言っていることが全く持って矛盾していることに気が付く。61ページの終わりのところで「青木が僕のことで何かあまりよくない噂を広めているということを誰かが教えてくれました。僕が試験でカンニングをしたというのです。それ以外に僕が一番を取る理由が考えられないというのです。僕はその話を何人かの級友から聞きました。」と述べているが、これこそ大沢が言う「他人の言いぶんを無批判に受け入れてそのまま信じてしまう人物」的行動なのではないだろうか。

 

 さらに、高校生時代の青木による復讐の話に関しては、大沢の話を聞く限り青木が大沢をシカトするようにクラスに働きかけたという証拠は何一つ見当たらない。これは大沢自身が言う「自分が何か間違ったことをしているんじゃないかなんて、これっぽちも、ちらっとでも考えたりはしない」ということなのではないだろうか。

 

 この小説を通して作者は読者に、物事を一つの視点からしか理解しようとしないことに対する危険性、そして、様々な視点から物事を見る重要性を説いているのではないかと私は考えている。大沢の言う「「他人の言いぶんを無批判に受け入れてそのまま信じてしまう連中」というのは、もしかしたら、大沢の言うことを鵜呑みにしてしまう私たち読者に向けられた言葉であり、村上春樹から私たちに送られた警告なのかもしれない。

衆議院選挙2017 各党の公約比較

 

希望の党の出現や民主党の事実上の解体などこれまでにないほどの盛り上がりを見せている今回の衆議院選挙だが、果たして各党はそれぞれどのようにして他党との差別化を図っているのだろうか。「憲法改正」「原発」「安全保障関連法」「消費税率引き上げ」という4点に重点をあて、各党の公約を簡単に確認していきたいと思う。

 

 

自民党

 

憲法改正」         賛成

原発」           推進

「安全保障関連法」      賛成

「消費税率引き上げ」     賛成

 

 

公明党

 

憲法改正」         加憲

原発」           推進

「安全保障関連法」      賛成

「消費税率引き上げ」     賛成

 

 

希望の党

憲法改正」         賛成

原発」           反対

「安全保障関連法」      賛成

「消費税率引き上げ」     反対

 

 

維新の会

憲法改正」         賛成

原発」           反対

「安全保障関連法」      賛成

「消費税率引き上げ」     反対

 

 

立憲民主党

憲法改正」         反対

原発」           反対

「安全保障関連法」      反対

「消費税率引き上げ」     反対

 

 

共産党

憲法改正」         反対

原発」           反対

「安全保障関連法」      反対

「消費税率引き上げ」     反対

 

 

ほとんどを「賛成」か「反対」かでしか示していないため、実際の細かいマニフェストとは異なるところがそれぞれあるとは思うが、大体これらの表のようなマニフェストを各党は掲げていると考えてもらってもさほど問題はない。

 

現在の勢力としては①自民、公明 ②希望、維新 ③立憲、公明+その他となっている。自民公明は衆議院選に向けてきっちりと準備を進めてきているものの、それと比べ他党は十分な準備ができていないと考えるのが妥当だろう。確かに、小池氏率いる希望の党は彼女の思惑通り、相当な強い印象を国民に植え付けたであろうし、小池氏自身が女性ということも相まって、希望の党は他党と比べるとフレッシュな印象を覚える。しかしながら、今回の衆議院選へ向けてのそもそもの準備が遅れているという報道も多々ある。(基盤を確保しておらず、さらには事務員が圧倒的に不足している)

 

今の状況を見ると安定感と一定の人気を保持している自民公明が有利なことに間違いはないが、今回の希望の党の出現によって国内の政治情勢が一気に転換期を迎えたと言っても過言ではないだろう。以前の保守対リベラルという図とは違い、保守対保守という図が今回はメインなのだが、私としては、健全な民主主義の保持のために、立憲民主党が今後リベラルの受け皿として活躍していくことを期待している。(私個人としては希望の党を応援している)

 

 

 

【書評】ハーバード 白熱日本史教室

 

どうも寿司マスターです。

 

今日は昨日途中まで読んで放置してしまっていた「ハーバード 白熱日本史教室」を読み終えたので軽く書評をしていきたい。

 

 

ハーバード白熱日本史教室 (新潮新書)

ハーバード白熱日本史教室 (新潮新書)

 

【概要】

「ハーバード 白熱日本史教室」というタイトルから判断して日本史についての本だと思い購入してしまうと少しがっかりしてしまう本。この本の集点はあくまでも著者である北川智子氏の半生に置かれており、彼女がどのような経緯で日本史を学ぶことになったのか、どのようにしてハーバード大学で教師として成功を収めたのかについてまとめられた自叙伝といっても過言ではないだろう。

 

本書は五部構成になっており、第一章では彼女がハーバードの教授になった経緯、第二章では彼女がハーバードで実際に行っているLady Samuraiという抗議の内容、第三章ではハーバードにおける教師を評価する独特なシステムについて、第四章ではもう一つの講義であるKYOTOについて、そして最後の第五章では彼女の歴史に対する印象派歴史学という視点が説明されている。

 

【感想】

★★★★☆ 読み物としては面白いが若干タイトル詐欺のような一面も

 

先ほども述べた通り、この本のタイトルにつられ、日本史に関する情報を目当てにこの本を購入すると期待を裏切られるだろう。しかし、読み物(小説や自叙伝)として読むのであれば、彼女の文章力の高さも相まって、ものすごく面白く興味深いものに仕上がっているのでぜひともおすすめしたい。

 

彼女の何事にも一生懸命に取り組む姿勢に心を動かされる人は少なくないのではないだろうか。(私自身も彼女の真摯さに感動し、つい目頭が熱くなってしまった)

 

 

 

 

初めまして!

 

初めまして!!寿司マスターと申します。

 

このブログでは現在進行形で進んでいる社会的または政治的問題についての解説や考察、それに加え私自身が読み終えた本の紹介などもしていきたいと思っています。

 

ブログを書くことも時事問題の考察を自分自身の文字で書き起こすことも初めてなものですから、徐々にゆっくりと慣れていきますので、どうか温かい目で見守っていただけたらなと思っています。

 

拙い文章と浅薄な知識しか披露するものは何もありませんが精一杯頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします。